「白髪染めにしたほうがいいのかな」と思っても当分は「今まで通りのヘアカラー」を続けましょう

執筆&監修美容師

美容師・小西 幸代(OAK hair deux

1998年より美容師をしています。

仕事がら毎日たくさんの方とお話をするので、世代や立場によって変わる様々なお悩みや関心事をリアルに知る機会に恵まれています。

今まで延べ人数にして10万人以上のお客様に携わらせていただいた経験を活かし、読者の方のお役に経つ情報発信をしていきます。

40代の“ちらほら白髪さん”なら、「普通のヘアカラー」でも十分に白髪をごまかせます。

それよりも、白髪を気にしすぎてヘアカラーを楽しめないほうが良くないことです。

とはいえ、目立ち始めた白髪を無視できないのも女ごころですよね。

そこで今回は、40代の女性が「白髪染めを考えたときに知っておいてほしい基礎知識」を分かりやすくまとめました。

「いつから白髪染めにすればいいのかな」と思ったときの指南書として、ぜひ役立ててください。

白髪染めに踏み切るタイミングの見極め方

白髪染めが必要ない場合

 白髪の割合が10%程度の“ちらほら白髪さん”なら、まだまだ「普通のヘアカラー」で大丈夫です。

当分は今まで通り「黒髪をどんな色にチェンジして楽しむか」を基準にヘアカラーを楽しんでください。

理由は次の2つです。

他人の視線は1m以上離れたところから向けられるから

一般的に誰かと話しをするときは、親しい間柄でも1mほどの距離があります。

この距離で、「普通のヘアカラー」で染めた髪の中から、数本の白髪を肉眼で見抜けるほど、人間の目は精巧にできていません。

現実的に考えれば、“鏡に顔をぐっと近づけて生え際の白髪とにらめっこ”しているときの至近距離で、あなたの白髪を監視する人はいないと気づくはずです。

「普通のヘアカラー」でも十分に白髪をぼかせるから

黒髪の中に白髪が混ざっていると、コントラストが極端なので少量の白髪でも目立ちます。

ところが、明るい髪色の中に白髪が混ざっていると、よく目を凝らさないと分からないくらいぼやけてしまうものです。

白髪がしっかり染まっていないと気持ち悪いですが、「そのまま過ごしてみたら、案外誰にも気づかれなくて大丈夫だった」と実感するはずです。

この経験を積み重ねて、「白髪はしっかり染めないとダメ」の思い込みを外してください。

白髪染めに踏み切ったほうがいい場合

今まで一度も染めたことがなく、これからも黒髪でいくつもり

今まで一度もヘアカラーをしたことがない人は、黒髪と白髪のコントラストが目立ち始める前に、自毛の色に合わせて白髪染めをしましょう。

今までの印象を変えずに、若々しさをキープできます。

1m離れたところから鏡を見てもはっきり白髪が目立つとき

鏡から1m離れて立ち、そこから見てもはっきりと白髪が目立つようなら白髪染めにしましょう。

この距離は他人から見た自分の姿です。

他人からの視線で冷静に自分の白髪をチェックし、白髪染めが必要か見極めてください。

黒髪に比べて白髪のうねりが特にきつい

黒髪に比べて白髪のうねりが強く出ているときも白髪染めがおすすめです。

なぜなら白髪だけが髪の表面から突出し、黒髪の質感となじまないので、普通のヘアカラーではぼかしが効かないからです。

うねりが強く出ている白髪にもしっかりと色素を入れて目立たないようにしましょう。

ヘアカラーの明るさによっては白髪染めが必要な場合

次の2つは、明るめのトーンなら普通のヘアカラー、暗めのトーンなら白髪染めがおすすめなケースです。

ボブなど、表面に段が入っていない髪形の場合

ボブは表面の髪が長く、白髪が黒髪のあいだを線でなぞる距離も長くなるので、白髪が目立ちやすくなります。

前髪を全部上げてポニーテールにすることが多い場合

髪が下りているときは内側に隠れていた白髪も、ポニーテールにすることで外側に現れ、存在感が浮きあがってしまいます。

白髪染めと普通のカラーの違い

白髪染めは「にごり」を混ぜている

一言でいうと、普通のヘアカラーに「にごり」を混ぜたものが白髪染めです。

専門的には「ダル」と呼ばれるこの色素を足すことによって、明るめでも白髪に色が入りやすくなります。

たとえばベージュ、ブラウン、アッシュなどがその代表例です。

「にごり」を出すヘアカラーを混ぜずに、クリアなオレンジやピンクなどで染めても、白髪は染まりません。

全く色が入らないか、蛍光色みたいな染まり上がりになって、光に当るとキラッと光ります。

年齢肌が気になり始めた40代女性にとって、「にごり」というとなんだか「くすみ」みたいで抵抗があるかもしれません。

でも、「にごり」を加えたヘアカラーには、次のようなメリットがあります。

・ごわつきがちな髪を柔らかく見せる

・肌の表面をなめらかに見せてほうれい線を目立たなくさせる

・顔を立体的に見せる効果がある

・大人に似合う落ち着いた色の着こなしアイテムにもなじみが良く、かえって華やかに見せてくれる

「にごり」を味方につけることは、大人女性のおしゃれをワンランク上にする重要ポイントです。

白髪染めメニューの値段が高い理由

白髪染めは普通のカラーよりも慎重に塗り残しがないかチェックする必要があり、塗るのに時間と手間がかかります。

また、根元にしっかりとカラー剤をためて、確実に発色する必要があるので、カラー剤の量も通常より多く使います。

そのため、普通のカラーよりも値段が高い場合があるのです。

白髪染め初心者さんが進む道は3つ

染めないで自然に任せる派

白髪を染めずに受け入れる姿勢は、正々堂々としていてとても素敵なことだと思います。

ただ年齢と共に清潔感を保つのがむずかしくなるのも事実。

自然色を続けるなら、こまめなカットとサロントリートメントでメンテナンスを行い、ツヤと清潔感を保つように意識してみてください。

白髪染めしないメリット

・ナチュラルな魅力がある

・そもそもカラーをしないので薬剤によるかぶれなどのリスクを遠ざけられる

白髪染めしないデメリット

・疲れて見られやすい

・髪にツヤがなく暗い印象に見られやすい

白髪染めしない髪を素敵に見せるポイント

・切りっぱなしボブなど、毛先がきちんと整った髪形で清潔感を出す

・明るい色の服装で印象を軽やかにする

・カット3回のうち1回はサロントリートメントをしてツヤを出す

しっかり染めて白髪に負けない派

白髪を確実にカバーするには、暗めの色で染める必要があります。

暗めの色で染めた髪は、黒髪と白髪の色に若干の差は出るものの、肉眼ではほとんど分からないくらい自然な仕上がりになります。

もし白髪を完璧にカバーしたいなら、真っ黒で染めるのが確実です。

髪色は明るくなるにつれて白髪の染まりが甘くなります。

しっかり白髪を染めるメリット

・白髪を確実にカバーできる

・均一な髪色が髪を健康的に見せる

・ダメージが少ない

しっかり白髪を染めるデメリット

・根元が伸びたらこまめに染め直す必要がある

・色味を変えても違いを実感しにくい

しっかり白髪を染めた髪を素敵に見せるポイント

「暗めのトーン×柔らかく見える色/軽く見える色」の組み合わせで“ずっしり重く”見えるのを避ける

しっかり白髪を染める派へのおすすめカラー

イエローベースの人

・オレンジベージュ…肌のくすみを飛ばして肌色をワントーン明るく見せる色。髪にツヤが出て健康的に見える。

・ミルクティー…ベージュに少しだけグリーンを混ぜたクリーミーな色。暗めのカラーでもふんわりとした軽さと柔らかさが出る。

ブルーベースの人

・アッシュブラウン…グレーがかったブラウン。白髪にしっかり色素が入る。ブラウンベースなので、アッシュにありがちな不健康見えを避けられる。

・ウォームブラウン…温かみを感じる自然なブラウン。服装や肌の明るさを選ばずになじみ、オフィスでも活躍する万能色。

積極的に白髪を活用する派

「白髪を天然のハイライトとして楽しんでしまおう」と、積極的に髪色のデザインに入れ込むヘアカラーです。

黒髪の暗さを底上げし、白髪が目立たなくなる明るさまで全体の髪色を引き上げてぼかします。

白髪をぼかす明るめカラーのメリット

・カラーのバラエティが豊富で色を楽しめる

・オシャレであか抜けた印象になる

・天然のハイライトとして生かすので白髪が増えてもロングヘアを楽しめる

白髪をぼかす明るめカラーのデメリット

・きつく見られやすい

・髪への負担が大きくダメージしやすい

・トリートメントなどのメンテナンス代がかかる

白髪をぼかす明るめカラーを素敵に見せるポイント

「明るめのトーン×重厚感のある色、ツヤの出る色」の組み合わせで“パサパサ、ド派手”を回避する

積極的に白髪を利用する派へのおすすめカラー

イエローベースの人

・コーラルブラウン…肌のくすみを飛ばして血色良く見せる色。明るめでもツヤが出やすく髪のダメージをカバーしてくれる。

・オリーブブラウン…日本人の髪独特の赤みを消してくれるオリーブブラウン。クールな印象に仕上がる。

ブルーベースの人

・ラベンダーブラウン…ブラウンにラベンダーを混ぜた上品で落ち着いた色。

・ピンクベージュ…スモーキーなピンクは気恥ずかしさなしで挑戦できる色。白髪カバー力も高く「大人カワイイ」雰囲気を作り出してくれる。

美容師に白髪染めの希望をうまく伝える4ステップ

ここでは美容師に白髪染めの悩みや希望をうまく伝える方法をご紹介します。

美容師に聞かれるのは、大まかにいうと「明るさ」と「色」。

「なんとなくいい感じにしてください」を細分化して4つのステップで伝えれば、大きく希望と外れることはありません。

満足度の高い仕上がりのためにぜひ参考にしてみてください。

①    明るさは3段階で伝えればOK

「今と同じくらいにしたいです。」

「今より明るくしたいです。」

「今より暗くしたいです。」

②    色も3種類でザックリ伝えれば大丈夫

「今と同じ色がいいです。」

「今と同じ系統が好きですが少し変えたいです。」

「イメチェンしたいので大きく変えたいです。」

③    なりたい印象を伝える

髪色の希望を伝えるときに便利な表現をいくつかご紹介します。

自分の希望に近いものを選んで美容師に伝えてください。

・柔らかく見える色

・顔色が良く見える色

・色白に見える色

・落ち着いた大人っぽく見える色

・上品な印象になる色

・ツヤを強調できる色

・髪が健康的に見える色

・今流行っている色

④    ここまできたら、「あとはおまかせします。」と言う

ここまで伝えれば、美容師もあなたの好みをかなり把握できます。

好みの主軸を伝えたあとは、美容師を信じて任せるしかありません。

以下に例文をご紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。

〈例文〉

「今より明るめで色自体は同じ色がいいですが、明るさは似合う感じにしてほしいです。」

「今と同じくらいの明るさでナチュラルな感じがいいのですが、少し雰囲気も変えたいです。」

「今より暗くしたいですが、重く見えるのが気になります。人気の色で髪を柔らかく見せる色があれば知りたいです。」

白髪染めのほうがヘアカラーを楽しめる!

今回は、白髪染め初心者さんの「この先どうすればいいの?」にお答えしました。

ほんの5、6年前まで白髪はしっかり隠すのが主流でしたが、最近では“白髪を見せること”を楽しむ傾向にあり、自由度はどんどん上がっています。

この先50代、60代と歳を重ねて白髪の割合が増えても、「天然のハイライトを活用してぼかす色」に染めればおしゃれに見えます。

さらに、白髪は余分な色素がない分、ヘアカラーがキレイに発色するので、黒髪のときよりも幅広い色が似合うようになるでしょう。

白髪が増えても髪色をおしゃれにする道は開けていますので、これからもヘアカラーを楽しんでください。

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