美容師・daiogo(美容師歴16年)
資格:美容師免許、管理美容師、色彩検定、ヘアケアソムリエ、剣道二段
過去に大手育毛カツラメーカーにて五年間職務歴あり。
男性、女性問わずサロンに来店されるお客様に向け、頭皮や髪の毛の悩みを解消できるよう日々アドバイスさせていただいております。
普段何気なく思っているような疑問、手が届きそうで届かない髪の毛あるあるをスッキリさせてもらえれば幸いです!
目次
ヘアサイクル(毛周期)の仕組みについて

年齢を重ねるにつれて増えていく頭皮や髪の毛の悩み。
育毛剤を使ったり、育毛シャンプーを使ったり、色々と育毛アイテムを試してご自分に合ったアイテムを見つけるのは非常に大切な事です。
でも、「そもそも何故、加齢で髪の毛が薄くなるんだろう…?」と思ったことはありませんか?
この記事では、元育毛カツラメーカー勤務&現役美容師の私が、薄毛や細毛の原因となる
「ヘアサイクル(毛周期)の乱れ」について、解説していきます。
ヘアサイクル(毛周期)とは
ヘアサイクル(毛周期)とは、「髪の毛の寿命」です。
髪の毛には新しく生えてきてから脱毛するまでの期間があり、頭皮の状態が正常であれば男性は約3~5年、女性は約4~6年となります。
薄毛の原因はこのヘアサイクル(毛周期)が乱れることにより本来の寿命を全うすることなく、髪の毛が脱毛してしまうから。
各育毛アイテムは「ヘアサイクルを整えて髪の毛を本来の寿命に戻す」ことが、一番の役割となります。
ヘアサイクル(毛周期)には段階がある

髪の毛が新しく生え始めてから脱毛するまでの間には、
- 早期成長期毛
- 中期成長期毛
- 後期成長期毛
- 退行期毛
- 休止期毛
- 脱毛
の段階があり、それぞれ期間や状態が異なります。
早期成長期毛
髪の毛が新たに生まれたばかりの状態。
脱毛し、寿命を迎えた髪の毛は、抜ける直前に頭皮の奥深くで新たな髪の毛を作り出します。
「毛母細胞」と呼ばれる髪の毛を作るための細胞が分裂することによって、新しい髪の毛を生んでいる状態です。
中期成長期毛
頭皮の奥で生まれた新しい髪の毛が、古くなって脱毛するだけの髪の毛を押し出そうとしている状態。
古い髪の毛は押し出されている力によって非常に抜けやすくなっており、ブローやシャンプーなどで抜ける髪の毛は、この段階で新しく作られている髪の毛の影響によるものです。
後期成長期毛
古くなった髪の毛が完全に抜け、新しい髪の毛がしっかりと成長していく状態。
ヘアサイクル(毛周期)のなかで早期~後期にかけての成長期毛の段階が一番長い割合となっており、約8~9割は成長期毛の段階と言われています。
退行期毛
毛母細胞が寿命を迎えた状態。
髪の毛の細胞分裂が止まり、伸びることをしなくっていきます。
髪の毛は完全に毛母細胞から離れると同時に成長を止めますが、「細胞分裂をしなくなり始めてから完全に毛母細胞と髪の毛が離れるまで」の約2~3週間の期間を指します。
休止期毛
細胞分裂が完全に止まり、脱毛する状態。
正常な頭皮の状態であればこの時期には頭皮の奥で新しい髪の毛が作られている段階で、その新しい髪の毛は「早期成長期毛」にあたります。
脱毛し、抜け落ちた毛穴から新しく髪の毛が生えてくるまでの約2~3か月の期間を休止期毛と呼びます。
頭皮環境が乱れるとヘアサイクル(毛周期)が乱れる
上記したヘアサイクル(毛周期)の段階は、あくまで正常な頭皮の状態でのもの。
加齢、ストレス、不摂生などによって頭皮環境が乱れると、ヘアサイクル(毛周期)は正常な段階を踏むことができなくなってしまいます。
乱れたあとのヘアサイクル(毛周期)は、
- 早期成長期毛
- 退行期毛
- 休止期毛
- 脱毛
となり、ヘアサイクル(毛周期)の期間のなかで一番長い割合を占める「成長期毛」内の「中期成長期毛」と『後期成長期毛」の期間がなくなってしまいます。
これではせっかく生えてきた髪の毛が成長しきることなく、すぐに脱毛する段階に入ってしまうことになり、強度も弱いまま。
強度の弱い髪の毛であってもカラーやパーマなどの手入れはすることになりますから、薬剤による髪の毛自体のダメージも深刻なものとなります。
ヘアサイクル(毛周期)を正常に戻すには?
乱れてしまったヘアサイクル(毛周期)を戻すのはとても大変です。
- 食生活の見直し
- 十分な睡眠
- 飲酒、喫煙を控える
- 育毛アイテムを使う
などを継続してやっていくことで、時間をかけて徐々に改善されることを目指していくようになります。
ですが、現代社会においてこれらを全てしっかりとやっていくのはかなり厳しいもの。
現実的には「育毛アイテムを使う」ことで頭皮環境の改善を目指していくことが大切です。
育毛アイテムを使う
育毛剤、育毛シャンプー、育毛サプリメントなど、育毛アイテムと言ってもその種類は豊富にあります。
それぞれにメリット、デメリットがあり、継続していく必要もあるものですから、ご自分の生活スタイルに合ったものを選ぶことが重要です。
ここでは、それぞれの特徴を挙げていきます。
育毛剤
「育毛」と聞いて最初に思い浮かぶ代表的なアイテム。
育毛効果としては後述する他育毛アイテムに比べて一番効果の高いものになります。
基本的な使用方法としては、朝、夜の一日2回塗布すること。
また、頭部全体に10~20プッシュした後に軽くマッサージすると、より効果的です。
しっかりと使用していくことが出来れば一番効果が得られやすいアイテムではありますが、
「つけ忘れ」が起こりやすいというデメリットも。
思い付いた時につけるような使い方だと効果が薄く、継続して「習慣化」することができるかが大事なポイントとなります。
育毛シャンプー
シャンプー剤に育毛成分を配合した育毛アイテム。
普段使っているシャンプー剤と同じように使うだけで、頭皮環境の改善を目指していくことができます。
非常に手軽に育毛ケアをすることができるので、育毛初心者の方にも使いやすいアイテムです。
育毛剤によくある「つけ忘れ」が起こることがない為、継続していくことのしやすさが最大のメリット。
デメリットとしては育毛剤に比べると育毛効果が落ちることと、通常のシャンプー剤と比べると高価になること。
髪の毛自体のダメージケアをすることもできる「アミノ酸系」や「ベタイン系」などの洗浄成分のものを選ぶのがおススメです。
育毛サプリメント
経口摂取することで身体のなかから頭皮環境の改善を目指していく育毛アイテム。
食後や睡眠前に服用するなど、販売メーカーによって摂取方法は様々です。
育毛成分が配合されているのはもちろんとして、各種美容成分が配合されている製品が多いのが特徴。
髪の毛や頭皮以外にもお肌のケアとして使用することができます。
デメリットとしては育毛剤の「つけ忘れ」と同じように『飲み忘れ』が起こりやすいということ。
また、経口摂取するタイプの育毛アイテムになるため、アレルギーなどの心配があります。
製品に表記されている内容成分をしっかりと確認し、ご自分に合ったものを選ぶ必要があります。
育毛アイテムは併用が効果的
「育毛剤」「育毛シャンプー」「育毛サプリメント」とある育毛アイテムですが、ヘアサイクル(毛周期)を正常に戻すためには併用が効果的。
3種類すべての併用ができれば一番ですが、金銭面で高価になりやすく、なかなか継続できなくなってしまっては意味がありません。
おススメは「育毛剤」と「育毛シャンプー」の併用です。
この2種類の併用は各育毛メーカーでもそのほとんどが推奨しており、セット価格での割引などもあるほど。
試しに育毛シャンプーだけ使用してみて、ご自分に合いそうであれば同シリーズの育毛剤と併用すると良いでしょう。
まとめ
ヘアサイクル(毛周期)は一度乱れてしまうと元の状態に戻すのは困難です。
乱れたまま放置した結果、毛母細胞が死滅してしまうと、どんな育毛アイテムを使用してもヘアサイクル(毛周期)を正常に戻すことは不可能になってしまう可能性も。
そのため、早めのケアがとても大事になります。
少しでも頭皮や髪の毛に異常を感じたら、すぐに行動に起こすようにしましょう。
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