美容師が教える正しい頭皮マッサージは?育毛に効く?具体的なやり方

執筆&監修美容師

美容師・daiogo(美容師歴16年)

資格:美容師免許、管理美容師、色彩検定、ヘアケアソムリエ、剣道二段

過去に大手育毛カツラメーカーにて五年間職務歴あり。

男性、女性問わずサロンに来店されるお客様に向け、頭皮や髪の毛の悩みを解消できるよう日々アドバイスさせていただいております。

普段何気なく思っているような疑問、手が届きそうで届かない髪の毛あるあるをスッキリさせてもらえれば幸いです!

35歳を過ぎた女性は「エイジング世代」と呼ばれ、髪の毛や頭皮が弱りやすく、薄毛や細毛などの頭皮に関する変化が現れやすい年代となってきます。

「育毛ケア」を行おうとは思っても、育毛剤などの各種育毛アイテムは継続して購入していく必要があり、できればお金をかけずに出来る育毛ケアをしていきたいもの。

この記事では現役美容師の私が、お金がかからない育毛ケアとして、「正しい頭皮マッサージの方法」について解説していきます。

頭皮マッサージのメリット

一番の頭皮マッサージのメリットとして挙げられるのは、「お金がかからない」ということ。

育毛剤などの各種育毛アイテムは、「継続して使用する」ということが前提であり、年単位で使用する必要があります。

必要経費として考えていくとかなりの高額になってしまうこともある為、ご自分できちんとした方法で行うことさえできれば、「頭皮マッサージ」は非常にリーズナブルです。

また、頭部にはとても多くの血管やツボがあり、正しく行うことで血行促進による育毛効果以外にも、「眼精疲労回復」や「リラックス効果」を得ることが期待できます。

正しい頭皮マッサージの方法

基本的な頭皮マッサージの考え方としては、まず頭部を4つのブロックに分けていきます。

  • 前頭部
  • 頭頂部
  • 側頭部
  • 後頭部

の4ブロックとなり、この各部位を順にマッサージしていくことを意識するようにしましょう。

1、前頭部

最初に「前頭部」と呼ばれるおでこの真上にあたる生え際の部分をマッサージしていきます。

「両黒目から延長線上に伸びた真上の位置」に親指と人差し指をあて、つまんで寄せ上げます。

これは片手で行うとやりやすいでしょう。

その状態のまま2秒ほど維持したら手を離し、頭頂部に向かって少しずつ位置をずらしながら上がっていきます。

これを4セット行います。

コリやすい前頭部のコリをほぐすことで、頭部全体の血行促進が期待でき、血流を良くする効果があります。

2、側頭部

続いて側頭部です。

両手の手の平を広げ、側頭部に当てます。

この時、「人差し指」と「中指」で耳を挟むようにしましょう。

その状態で全ての「指の腹」に力を入れ、頭頂部にむかってゆっくりとスライドさせていきます。

4~5秒ほどを目安にスライドさせていき、最後に頭皮を引っ張り上げるように持ち上げます。

これを1セットとして、8~10回ほど行います。

3、頭頂部

次に頭頂部です。

両手の手の平が当たらないように指を組みます。

その状態のまま頭頂部に乗せ、両親指の根本付近の関節を使って「頭蓋骨を挟むように」中央に向かって寄せ上げます。

これを5回行いましょう。

頭頂部もかなりコリやすい箇所であり、ここのコリがほぐれることで頭部全体が動かしやすい状態にすることができます。

4、後頭部

最後に後頭部のマッサージを行います。

片手で「グー」の形を作ります。

その後、テーブルなどの固いところに肘をつけ、後頭部全体を押していきます。

この時、「頭の重さを利用する」感覚で行うと、上手にマッサージすることができます。

1か所につき4回ほど押すようにし、「痛気持ちいい」ほどの力加減で行うのがポイント。

身体の硬い方等は体勢がつらい可能性もありますので、無理なく行うようにしてください。

育毛効果の高いツボは?

「ツボ」とは、東洋医学における考え方のひとつであり、身体の健康を健やかに保つために非常に重要な役割を持つと考えられています。

血流の悪い箇所に圧力を加えることで流れを整え、血行促進をしていくことを目的とします。

頭部には多くのツボが存在し、「育毛効果が期待できるツボ」というものも沢山あります。

ここでは、そのツボの箇所と効果を説明していきます。

脱毛予防に「百会(ひゃくえ)」

両耳から頭頂部に向かって真上に上がっていき、頭部のてっぺんとなる箇所が「百会(ひゃくえ)」と呼ばれる脱毛予防効果のあるツボです。

ストレスの緩和や疲労回復効果、リラックス効果などもあります。

血行促進と白髪予防に「通天(つうてん)」

百会(ひゃくえ)から左右に少しずれた箇所が「通天(つうてん)」と呼ばれ、血行を促進させることにより抜け毛の進行を遅らせ、白髪予防の効果も期待できるツボです。

それ以外にも、頭痛や片頭痛などに効果があると言われています。

天柱(てんちゅう)

襟足の生え際付近。

触ってみると左右に太い筋肉が2本あり、そこから少し両外側にあるくぼみが「天柱(てんちゅう)」と呼ばれるツボです。

後頭部付近の抜け毛予防効果や、精神疲労、ストレスの疲労回復効果などがあり、頭部全体の血行促進が期待できます。

風池(ふうち)

天柱から1cmほど、少し上にずらした箇所。

天柱と同じく後頭部の抜け毛予防効果があり、円形脱毛症で悩んでいる方にもおススメのツボが「風池(ふうち)」とツボです。

風邪やめまい、立ち眩みなどにも効果があると言われています。

基本的な指圧法

上記した各ツボをご自分で行う場合、専門的な知識のない方が行うと思わぬ副作用を起こしてしまう可能性があります。

体調不良の時や妊娠中の方は極力行わない、というのが原則です。

なるべく副作用の起こりづらい方法としては、「指圧法」があります。

基本的な指圧法の方法としては、「親指で痛気持ちいい程度の力で押す」というもの。

上記したツボをそれぞれ押し、「痛気持ちいい」くらいの力で刺激したら、そのままの状態で5~10秒ほど保ちます。

その後、ゆっくりと指を離し、一呼吸おいてからもう一度押します。

これを繰り返すことで、副作用が起きづらくツボの効果アップが期待できますが、ポイントは『ゆっくり、丁寧に』行うこと。

落ち着ける時間をまず作り、しっかりと丁寧に行うようにしましょう。

マッサージは入浴後がおススメ

お風呂上がりの約30分間は、マッサージをするタイミングとしては非常に効果的な時間帯です。

筋肉には入浴によって身体が温まると、可動域が広がる特徴があります。

身体を温めることによって血行促進がされやすい状態であり、さらに筋肉の可動域も広がっていることから、マッサージによる効果アップが期待できます。

頭皮マッサージを行う上での注意点

頭皮マッサージは方法を間違ってしまうと、思わぬ副作用が出てしまうこともあります。

せっかく頭皮のケアを行っているのに、不調が起きるなどの逆効果になってしまっては本末転倒です。

ここでは、やってはいけない頭皮マッサージの注意点を挙げていきます。

マッサージは食後にはしてはいけない

食後すぐは、身体は摂取した食べ物を消化させるために消化器官に血流を回している状態です。

マッサージの目的として「血行促進効果」があり、これを食後すぐに行ってしまうと、消化器官で本来必要な血流を奪ってしまう可能性があります。

これによって「消化不良」を起こしてしまう恐れも。

平均して食後約3時間は、消化器官が働いている時間帯ですので、マッサージを行う場合はその時間帯を避けるようにしましょう。

ブラシで頭皮を叩くのはダメ

「血行促進させるためには頭皮をブラシでたたくと良い」と、未だに稀に話の出る行為ですが、これは育毛ケアを行う上では逆効果です。

過度な刺激を与えてしまうと、頭皮内部の皮下組織が損傷し、「角質化」が始まってしまいます。

角質化がすすみ、その後「硬質化」してしまった頭皮は、毛母細胞が死滅してしまい、髪の毛を生やすことができなくなってしまいます。

薄毛を促進させる効果とも言える行為ですので、絶対に行わないようにしましょう。

まとめ

頭皮マッサージは、正しい方法さえしっかり理解できていれば、気軽に行えてお金もかからない育毛ケアです。

また、身体自体のケアや、ストレス解消などの効果も期待できます。

ゆっくりと出来る時間を作り、身体を休めながら行っていただければと思います。

※記載内容は現在のサービスと異なる場合があります。最新の情報は公式サイトをご確認ください。

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