女性にとって非常に重要な悩みである「薄毛」や「細毛」。
35歳を過ぎた女性は「エイジング世代」と呼ばれ、頭皮が衰え、弱くなり始める年齢となっていきます。
「育毛剤を使ったら変わるかな…」と思って使用してはみたものの、あまり効果を感じられない、なんてことはありませんか?
それはもしかしたら、「正しい育毛剤の使い方」ができていないからかもしれません。
この記事では、元育毛カツラメーカー勤務&現役美容師の私が、「育毛剤の正しい使い方」について解説していきます。
美容師・daiogo(美容師歴16年)
資格:美容師免許、管理美容師、色彩検定、ヘアケアソムリエ、剣道二段
過去に大手育毛カツラメーカーにて五年間職務歴あり。
男性、女性問わずサロンに来店されるお客様に向け、頭皮や髪の毛の悩みを解消できるよう日々アドバイスさせていただいております。
普段何気なく思っているような疑問、手が届きそうで届かない髪の毛あるあるをスッキリさせてもらえれば幸いです!
目次
育毛剤には種類がある
育毛剤は頭皮に薬剤を塗布する育毛アイテムですが、そのタイプには
- スティックタイプ
- スプレータイプ
の2種類があります。
これらは配合されている成分や、販売メーカーの育毛ケアに対する考え方によってタイプが分かれます。
基本的にはどちらのタイプのものを選んでも使用方法に変わりはありません。
しかし、スティックタイプは直に頭皮に育毛剤を塗布するものになるため、長期間使用していなかったような場合だと塗布部分に雑菌が繁殖している可能性も。
初めて育毛ケアをしていくつもりの育毛初心者の方であれば、スプレータイプを使用した方が使いやすいでしょう。
正しい使用方法
育毛剤には「用法」「用量」があります。
考え方としては風邪薬などと全く同じことで、「用法、用量を守らなければ効果は発揮されない」ということをしっかりと認識する必要があります。
なかなか効果が出ない、育毛剤なんて効果がない、と思っている方が一番間違えているのはこの部分。
せっかく費用と時間をかけてやっていくものですので、しっかりと効果の出るよう、正しい使用方法を理解するようにしましょう。
1日2回つける
育毛剤は毎日2回、朝、夜につけるもの。
「思い付いた時にちょっとつける」といった使い方では、しっかりとした効果が出るはずもないので、毎日継続して使用していくことの積み重ねが重要です。
朝起きた時の洗顔後や、夜にお風呂に入った後のケアの一環としてなど。
歯磨きや身だしなみを整えることと同じくらいに「習慣化」させることが必要です。
つける量は10~20プッシュ
育毛剤をつける箇所は、
- 頭皮の鼻を通った正中線上に4プッシュ
- その両サイドに3プッシュずつ塗布して計10プッシュ
- その後に生え際やつむじなどの気になる箇所に数プッシュ
頭頂部を中心に全部で10~20プッシュほどを全体的に塗布するのが、正しい育毛剤の使用量です。
育毛ケアは基本的に頭皮全体の血行促進や頭皮環境の改善を目指してやっていくもの。
「気になるのは生え際付近だから生え際にだけ少しつける」や「あまり使いすぎるともったいない」といった使い方をしていると、逆に効果が表れづらくなります。
「一部分」だけのケアではなく、「頭皮全体」のケアをするように意識するようにしましょう。
塗布後は全体的にマッサージ
塗布後は頭皮の全体を優しく揉みこみ、マッサージしてあげることで育毛剤の効果アップが期待できます。
頭皮のマッサージには育毛剤の効果を高めること以外にも、コリをほぐしてあげることによる血行促進効果も。
また、頭部には50以上もの多くのツボが集中しており、そのなかには育毛に効果的なものもあります。
特に頭のちょうどてっぺんに当たる「百会(ひゃくえ)」や、その少し横にずらした箇所の『通天(つうてん)』は、血行促進効果、脱毛予防、抜け毛予防、白髪予防などに効果的なツボと言われています。
しかし、あまり激しく頭皮に刺激を与えてしまうのは逆効果。
「痛気持ちいい」くらいの力加減で行うことを意識しましょう。
育毛ケアは長期戦
正しく育毛剤を使用しているのにも関わらず、なかなか効果が表れないと「…ホントに効果あるのかな…?」と思ってしまうもの。
育毛ケアは長期戦です。
すぐに効果が表れる育毛アイテムは存在せず、長期的に継続して使用していく必要があります。
効果が出るまでには個人差がある為、最低でも約3ヶ月~半年は継続するようにしましょう。
育毛剤、養毛剤、発毛剤ってなにが違うの?
この記事は『育毛剤の正しい使い方』という内容になっていますが、「育毛剤」「養毛剤」「発毛剤」のどれを使用するにしても、その使用方法は同じです。
また、販売しているメーカーによって表記の異なるこの3種類には、
- 養毛剤=化粧品
- 育毛剤=医薬部外品
- 発毛剤=医薬品
という違いがあります。
育毛アイテムに限らず、一般的なスキンケア用品は薬機法(旧薬事法)によってこの3種類に分類されます。
その目的によって効果や効能の範囲が分かれるため、育毛アイテムで考えると
- 養毛剤=化粧品=健やかさを保つ、清潔にする
- 育毛剤=医薬部外品=薄毛、細毛予防
- 発毛剤=医薬品=髪の毛を生やす
となります。
また、使用することのできる成分も変わるため価格にも差があり、基本的には発毛剤が一番高価なものになります。
育毛剤の使用に関する注意点
育毛剤には、頭皮の環境を整えて頭皮環境を改善させるための成分や、栄養を与えるための成分が配合されています。
代表的なものとしては、
- ミノキシジル
- ピディオキシジル
- キャピキシル
- リデンシル
- センブリエキス
- グリチルリチン酸
など。
その成分の種類は多く、なかには刺激の強いものや、人によってはアレルギー反応が起こったり、頭皮にかゆみなどの異常が起こったりすることも。
育毛剤を使用したあとにこのようなトラブルが起こってしまった場合は、その育毛剤に含まれている何らかの成分が身体に合わなかった可能性があります。
すぐにその育毛剤の使用をやめ、心配な場合は専門医に相談するようにしましょう。
他メーカーの育毛剤との併用はNG
上記したように育毛剤には様々な種類の成分が多く配合されています。
それらは各メーカーがそれぞれの研究の末、緻密に計算された配合量によって作られたものであり、そもそも他のメーカーとの併用を前提に作られてはいません。
育毛成分は未だに多くの新成分が開発されている分野であり、過去に開発された成分との併用によってなにが起こるのかは誰にも分からないこと。
もしかしたら身体に非常に大きな影響が起こってしまう可能性もあるため、併用は絶対にやめるようにしましょう。
必ずしも効果の出るものではない
育毛剤は「今ある髪の毛を元気にさせる」ことを目的としたものです。
髪の毛の元となる毛母細胞が死滅してしまい、いわゆる「ツルツル」になってしまった場合は、上記した育毛剤の正しい使い方をしていたとしても効果はありません。
こういった場合は「発毛剤」を使用したり、専門クリニックを受診したりする必要があります。
それでも既に死滅してしまった毛母細胞を蘇らせるのは非常に難しく、必ずしも効果が出る訳ではありません。
また、継続しての治療が必須になるため、時間と費用もよりかかるようになります。
それだけ髪の毛や頭皮はデリケートであり、大切なものですので、日々のケアがとても大事になってきます。
保管方法
育毛剤は室温での保管ができるものですが、可能であれば冷暗所での保管が最適です。
薬剤は温度の上昇によってその性質を変えたり、効果を弱らせたりしてしまうもの。
特に直射日光が当たるところでの保管はやめるようにしましょう。
また、近年販売されている育毛剤には無添加のものも多く、保存料不使用を謳っている製品もあります。
こういった製品はお肌に優しく、刺激が少ない代わりに消費期限の短いものも。
開封時から時間が経つに従って酸化による劣化は必ず起きてしまうものなので、開封後は約2か月を目安に使い切るようにしましょう。
まとめ
正しく育毛剤を使用することは、育毛ケアにおいてとても重要です。
具体的な使用方法や注意点を挙げていきましたが、なにより大事なのは「継続」すること。
少しでも頭皮や髪の毛に不安を感じたら、できるだけ早くから正しいケアをしていただければと思います。
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