美髪を目指していくにあたって重要な「シャンプー後のケア」。
シャンプー剤やトリートメントには気を遣っていても、いわゆる「アウトバス」はなんとなく選んでいる方も多いのではないでしょうか。
質感や香りなどの違いはもちろんありますが、大事なのは「髪質」で選ぶこと。
この記事では、現役美容師の私が、「アウトバスの選び方」について解説していきます。
美容師・daiogo(美容師歴16年)
資格:美容師免許、管理美容師、色彩検定、ヘアケアソムリエ、剣道二段
過去に大手育毛カツラメーカーにて五年間職務歴あり。
男性、女性問わずサロンに来店されるお客様に向け、頭皮や髪の毛の悩みを解消できるよう日々アドバイスさせていただいております。
普段何気なく思っているような疑問、手が届きそうで届かない髪の毛あるあるをスッキリさせてもらえれば幸いです!
目次
アウトバスとは?
アウトバスとは、主にシャンプー後の髪の毛に使う「流さないタイプのトリートメント」のことです。
基本的にはカラーやパーマ、アイロンなどによって傷んでしまった髪の毛には必要なもの。
特に夏場の紫外線や冬場の乾燥など、季節ごとの影響から髪の毛を守ってくれる効果もあるので、1年を通して使用する必要があります。
35歳を過ぎた女性は「エイジング世代」と呼ばれますが、この時期に入った髪の毛は加齢によってどんどん弱くなってしまうもの。
髪の毛を外部からの刺激から守るケアは、とても重要なものになります。
髪質による使い分け
アウトバスには種類があります。
大きく分けて、
- トリートメントオイル
- トリートメントミルク
- トリートメントミスト
の3種類に分けることが出来ます。
「私の髪にはどれが合っているんだろう…?」と思っても、なかなかご自分では判断しづらいところ。
ここでは、私が実際に美容師としてお客様におススメしているアウトバスの選び方を説明していきます。
トリートメントオイルの選び方
オイル系のアウトバスの特徴は、
- ツヤが出やすい
- 毛先がまとまりやすくなる
- しっとりする
などです。
この特徴に合った髪質は、
- 細毛
- パサつきが気になる
- 軟毛
の方になります。
髪の毛自体が軟らかく細い方は、もともと静電気が起きやすい髪質。
静電気が起こることでパサつき、傷みやすくなり、その傷みからよりパサついてしまうという負のスパイラルにもなりやすい髪質です。
また、細い髪の毛はカラーやパーマ、アイロンによるダメージも受けやすく、もともと傷みやすい性質をもちます。
髪質としてはアウトバスによるケアが一番重要だと言えるでしょう。
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トリートメントミルクの選び方
トリートメントミルクの特徴として挙げていくと、
- 香りの良いものが多い
- ふんわりとした仕上がりに
- 市販されているものが少ない
など。
この特徴に合った髪質は、
- 硬毛
- 多毛
の方です。
太くて丈夫、毛量の多い髪質は、ヘアスタイルが重たい印象になりやすいもの。
オイル系のアウトバスは使用することによってツヤやまとまり感が出ますが、こういった髪質の方に使ってしまうと、重たくなりすぎてしまいます。
ふんわり、さらさらな仕上がりにした方が軽さを強調することが出来るので、髪の毛を切る時には必ずたくさん毛量を減らしてもらっている、という方にはおススメです。
トリートメントミストの選び方
トリートメントミストの特徴は、
- 仕上がりがサラサラに
- 水分量が多い
などが挙げられます。
このアウトバスに適した髪質は、
- 乾燥毛
- ゴワつきが気になる
- アイロンを使用する
などです。
オイルやミルクに比べて水分量の多いミストは、乾燥による傷みに非常に適しています。
乾燥毛に必要なのは「水分」。
髪の毛の内部にしっかりと水分を入れ込んであげることで、乾燥を抑えることができます。
しかし、アイロンを使用する前のミストのかけ過ぎには要注意。
アイロンの高温によりかけ過ぎてしまったミストが蒸発し、スチーム状態になってしまいます。
このスチームがとても高温であり、その熱によって逆に髪の毛を傷めてしまうことも。
至近距離からミストをかけてしまうと一部分だけが濡れすぎた状態になってしまうので、少し離して中間から毛先が少ししっとりしている、くらいの状態でアイロンを使うことが重要です。
アウトバスの正しい使用方法
誤った使い方をしていると、せっかく髪の毛に良いことをしているのに、いまいち効果が得られないことも。
毎日使うものですし多少はお金もかかることなので、正しい使い方をしていないと勿体ないですよね。
ここでは、それぞれの正しい使用方法について説明していきます。
トリートメントオイルの正しい使用方法
重要なのは「使うタイミング」。
トリートメントオイルは、シャンプー後などの髪の毛が濡れている状態の時に使用します。
テクスチャーがしっとりとしているオイルは、乾いた状態の髪の毛に使ってしまうと全体的に馴染ませることが難しく、一部分だけについてしまいがち。
セミロングくらいの長さであれば2~3プッシュほど手の平にとり、両手にしっかりと広げます。
その後、「髪の毛の内側から」つけていくようにしましょう。
先に髪の毛の表面につけてしまうと、オイル成分の効果が出過ぎてしまい、重く、テカテカした印象に。
また、トリートメントオイルは「2度付け」してはいけません。
乾かす前と後の2回髪の毛につけてしまうと、これも重く、テカテカした印象になってしまいます。
製品自体の品質によるトリートメント効果の違いもありますが、基本的にはトリートメントオイルは濡れている状態の時に1回つければ十分なものです。
トリートメントミルクの正しい使用方法
トリートメントミルクの使い方は、基本的にはオイルと同じになります。
セミロングくらいの長さであれば、2~3プッシュほどを中間から毛先にかけてつけてあげましょう。
オイルとの違いは、「2度付けができる」こと。
オイルは油分が高いため重くなりすぎてしまう性質がありますが、ミルクはテクスチャーが軽いものが多く、2度付けをしても重くなりすぎることがありません。
濡れている髪の毛はキューティクルが開いている状態であり、その状態の時にミルクをつけることで、髪の毛の内部までミルクが浸透してくれます。
乾かすとキューティクルが閉じるので、特にカラーやパーマなどでダメージのある髪の毛であれば、乾かす前と後の2回つけてあげることでトリートメントの効果がアップします。
トリートメントミストの正しい使用方法
トリートメントミストに関しては、上記した2種類のアウトバスとは基本的な使用方法が変わってきます。
ミストを使うタイミングは「アイロンで伸ばす前」。
ドライヤーなどでまずは髪の毛をしっかりと乾かします。
その後、出来るだけ細かい霧状にミストが出るように、髪の毛から少し離し気味に噴霧します。
触った時に『少ししっとりしている』くらいの状態がベスト。
この時に濡らしすぎてしまうと高温のスチームが出てしまい、その蒸気によって髪の毛が傷んでしまうので、濡らしすぎは厳禁です。
適度に噴霧された状態でアイロンを使用することで、サラサラな仕上がりにすることができます。
また、アイロンで髪の毛を伸ばしたあとに最後の仕上げとしてミルクやオイルを使用することで、質感アップの効果も。
トリートメント効果としてもアップが見込めますので、おススメの使い方です。
アウトバスでは対処しきれないことも
美容室で行うトリートメント施術とは内容が全く異なります。
あまりにも傷みすぎているハイダメージ毛の方や、ブラシの全く通らないほどの状態の髪の毛には効果が見込めません。
そういった場合には「髪質改善系トリートメント」などのハイグレードなトリートメントを数回行う必要がありますので、あまりにも傷みすぎている場合は美容室で相談してみるのが良いでしょう。



まとめ
ご自分に合ったものを選び、継続していくことで、「美髪」を目指していきましょう。
※記載内容は現在のサービスと異なる場合があります。最新の情報は公式サイトをご確認ください。