美容師が教える本当に髪の毛や頭皮に良い食べ物。何を食べたら良い?

執筆&監修美容師

美容師・daiogo(美容師歴16年)

資格:美容師免許、管理美容師、色彩検定、ヘアケアソムリエ、剣道二段

過去に大手育毛カツラメーカーにて五年間職務歴あり。

男性、女性問わずサロンに来店されるお客様に向け、頭皮や髪の毛の悩みを解消できるよう日々アドバイスさせていただいております。

普段何気なく思っているような疑問、手が届きそうで届かない髪の毛あるあるをスッキリさせてもらえれば幸いです!

頭皮や髪の毛の状態が良くなく、育毛ケアをしていこうと考えたときには、「健全な生活習慣を送る」ことが重要です。

育毛剤や育毛シャンプーなどの各育毛アイテムを使用するのも大切なことですが、不規則な生活スタイルをしているままだと、なかなか効果が上がりづらいことも。

特に髪の毛は食事によって摂取した栄養が元になっている訳ですから、「食生活」には気を遣うようにしましょう。

この記事では、元育毛カツラメーカー勤務&現役美容師の私が、「髪の毛や頭皮に良い食べ物」について、解説していきます。

髪の毛はたんぱく質のかたまり

髪の毛はその一本一本が「海苔巻き状」の三層構造になっています。

中心の海苔巻きで言う具にあたる部分を「毛髄質(メデュラ)」、お米の部分を「毛皮質(コルテックス)」、海苔の部分を「毛小皮(キューティクル)」と呼びます。

このうち全体の割合を多く占めるのが「毛皮質(コルテックス)」。

毛皮質(コルテックス)は、主成分が「ケラチン」と呼ばれるたんぱく質です。

太く、丈夫な髪の毛を成長させていく為には、この毛皮質(コルテックス)にしっかりとたんぱく質を送る必要があり、たんぱく質を豊富に含んだ食材を摂取することが重要です。

たんぱく質が多く含まれる食材(動物性)

たんぱく質は大きく分けて、「動物性」と「植物性」に二分されますが、育毛ケアとして考えた時にはどちらのたんぱく質であっても変わりはありません。

動物性のたんぱく質を挙げていくと、

  • 豚ロース
  • 牛フィレ
  • 鶏のササミ
  • 生ハム
  • ウィンナー

などの脂肪分の少ない赤身の肉類や、

  • いわし
  • いくら
  • かつお
  • さば
  • たら

などの白身魚などになります。

また、乳製品や卵なども動物性のたんぱく質に含まれますが、これらは脂質が多いものも多いので、カロリー計算などの配慮が必要です。

たんぱく質が多く含まれる食材(植物性)

植物性でたんぱく質が多く含まれる食材には、

  • きなこ
  • 湯葉
  • 納豆
  • 木綿豆腐
  • 豆乳

などの主に豆類が挙げられます。

特に「大豆」は、たんぱく質の量が肉類と同程度ありながらも食物繊維が豊富に含まれていて、その他、カルシウムや鉄分なども多く含まれる優秀な食材です。

亜鉛は非常に重要な栄養素

亜鉛は本来、「摂取したたんぱく質を臓器、筋肉、骨などの組織に変化させる」人間の身体にとって非常に重要な栄養素です。

もちろん、上記したように髪の毛もたんぱく質のかたまりなので、育毛ケアの観点からも髪の毛をしっかりと丈夫に生やしていく為に必要な栄養素となります。

髪の毛の生成において食事をしたことで体内に摂取されたたんぱく質は、亜鉛の働きによって「アミノ酸」に変化します。

さらに亜鉛は、変化したアミノ酸を毛皮質(コルテックス)の主成分である「ケラチン」に変化させる働きがあり、適度な量の亜鉛を取り入れることが重要です。

亜鉛が多く含まれる食材

亜鉛は肉や魚、穀類などの食材に幅広く含まれていますが、なかでも多い食材では

  • 牡蠣
  • あわび
  • するめ
  • 豚レバー
  • 納豆
  • 牛肉

などが挙げられます。

近年は「亜鉛不足」の症状が指摘されています。

亜鉛は通常の食事をしていれば不足する心配をする必要はないものですが、偏った食事や無理なダイエットなどの影響によって「亜鉛不足」が起こってしまうことも。

「味覚障害」や「免疫力の低下」などを引き起こす可能性もあるので、食生活が乱れている自覚がある方には注意が必要です。

「わかめが良い」と言われていた理由はヨード

ヨード(ヨウ素)には、甲状腺の働きを助けて髪の毛の成長を促進させる効果があります。

また、血行促進効果が優れているため、摂取した栄養素を身体の各部位まで届けてくれる効果も。

頭皮ケアでもこの効果は非常に重要で、必要な栄養素を頭皮の奥深くまで浸透してくれる働きがあります。

ヨードが多く含まれる食材

ヨードは多くの食材に含まれている栄養素ですが、最も多く含まれているのは海藻類です。

特に、

  • こんぶ
  • わかめ
  • のり
  • ひじき
  • 寒天

などに多く含まれています。

日本人は古くから海藻類を多く摂取する民族のため本来は不足しづらい栄養素ですが、ジャンクフードなどを食べることが多い方には注意が必要です。

血行促進にはビタミン群

各ビタミン群、主にA,C,E,Fなどには、抜け毛予防や血行促進効果があります。

また、ビタミンBには頭皮の新陳代謝を促進させる効果もあり、ビタミンの摂取は頭皮ケアに非常に有効です。

ビタミンが多く含まれる食材

ビタミン群が多く含まれている食材は非常に多岐に渡り、その含まれている栄養素も細かく分かれているため、ここではその全てを書ききることはできません。

多く含まれている「食材群」として挙げていくと、

  • 緑黄色野菜
  • 豚肉
  • レバー
  • 魚介類
  • 果物
  • 卵類
  • 豆類

などになります。

頭皮ケア以外にもビタミンには、身体の健康を維持するために他の栄養素の働きを助ける効果などもあり、その役割は重要です。

また、ビタミンは人体では自ら作ることがほとんど出来ない栄養素のため、不足しないように気をつける必要があります。

結局なにを食べるべき?

ここまで髪の毛や頭皮とって必要な食材を多く紹介してきましたが、「結局なにを食べればいいの…?」となってしまったかもしれません。

美容師として私がおススメする食材は、

  • 牛フィレ肉
  • 青魚(いわし)
  • 納豆(大豆)

です。

この3つの食材は、たんぱく質や亜鉛などの髪の毛や頭皮にとって必要な栄養素を多く含みます。

また、料理の応用も効きやすい食材のため、育毛ケアに重要な「継続する」こともしやすいメリットもあります。

バランスの良い食生活が重要

髪の毛や頭皮のことばかり気にしすぎてしまい、偏った食生活になってしまっては本末転倒。

頭皮環境の乱れは偏った食生活からくることも珍しくありません。

頭皮にも身体にもバランスの良い食材を摂ることを心掛けることが重要です。

睡眠を十分にとることで頭皮ケア

食事と同じく普段から心掛ける必要のあるものの一つに、「睡眠」があります。

頭皮環境の乱れは「睡眠不足」からくることもあり、十分な睡眠がとれていないことによって髪の毛自体が弱くなります。

睡眠時間としての理想は約7~8時間と言われており、食事は就寝2時間前までには済ませておくようにしましょう。

また、睡眠時には「髪の毛のゴールデンタイム」と呼ばれる時間帯があり、それは「夜10時~夜中2時まで」。

この時間帯は成長ホルモンが活発になるため、髪の毛の成長を促すのには最適です。

お仕事が忙しくて睡眠不足の方なども多いかと思いますが、理想である約7~8時間の睡眠時間がとれないとしても、できる限りこの時間帯は就寝しておくようにしましょう。

過剰な摂りすぎには注意

「栄養不足」とは逆に「栄養過多」にも注意はしなければいけません。

頭皮や身体に必要な栄養素とは言っても、必要以上に摂取してしまうと思わぬ悪影響の原因になってしまうことも。

例えば髪の毛の主成分である「たんぱく質」を摂取するために肉類などの食材を過剰に摂取してしまうと、カロリーオーバーとなって肥満になってしまう危険性があります。

他にも、亜鉛の過剰摂取による神経障害やヨードの過剰摂取による甲状腺機能低下症などが考えられますので、「適度」な量を摂ることを意識することが重要です。

まとめ

頭皮が気になりだした時には育毛剤などの「育毛アイテム」も大事ですが、まずは普段の食事や生活習慣の見直しからしてみましょう。

育毛ケアだけに限らず、身体の環境を整えるためには食事はとても大事なこと。

身体と頭皮、髪の毛すべてのケアと考えて、バランスの良い食生活を送っていただければと思います。

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