女性に多い悩みのひとつとして、「切れ毛や傷みによって髪の毛がパサついて見えてしまう」というものがあります。
「美髪」を目指していく上で、これは出来れば何とかしたい問題。
原因として考えられるのは、「過度なパーマやカラーによる傷み」「ドライヤー間違った使い方による傷み」「普段のケア不足」などですが、この中で改善しやすいものを挙げるとすれば「ドライヤーの間違った使い方による傷み」でしょう。
プロの美容師でもなければドライヤーの使い方はほとんどの方が「なんとなく」行っているようなもので、それが「切れ毛」や「髪の毛の傷み」になっているのかもしれません。
この記事では、現役美容師の私が、「ドライヤーの正しい使い方」について、解説していきます。
美容師・daiogo(美容師歴16年)
資格:美容師免許、管理美容師、色彩検定、ヘアケアソムリエ、剣道二段
過去に大手育毛カツラメーカーにて五年間職務歴あり。
男性、女性問わずサロンに来店されるお客様に向け、頭皮や髪の毛の悩みを解消できるよう日々アドバイスさせていただいております。
普段何気なく思っているような疑問、手が届きそうで届かない髪の毛あるあるをスッキリさせてもらえれば幸いです!
目次
どんなドライヤーを使うべき?
近年はドライヤーにも多くの種類があり、その性能も非常に優れたものが多く販売されています。
「マイナスイオン機能」をはじめ、「速乾機能」「場(フィールド)機能」「温冷機能」など、高価なドライヤーになってくるほど、その機能も増えていく傾向があります。
ここで間違ってはいけないのは、「高価なドライヤーだから傷まない」なんてことはない、ということ。
ドライヤー自体の価格に関係なく、間違った使い方をしてしまうと、どんなドライヤーを使っていても髪の毛は傷んでしまいます。
高価なドライヤーに多く搭載されている機能の目的は、「楽して簡単にできるだけ傷まないように乾かす機能」なのであって、使い方自体が間違っていれば傷んでしまうのは当然と言えます。
逆に、安価なドライヤーを使用したとしても、「正しいドライヤーの使い方」ができているのであれば、髪の毛は傷みづらく、ツヤのあるサラサラな仕上がりにすることは可能です。
必要な機能は?
正しくドライヤーを使う場合、上記したような高価なドライヤーに搭載されている機能は必要なく、基本的な3種類の性能があれば問題なくツヤのある仕上がりにすることができます。
その3種類の機能とは、「強温風機能」「弱温風機能」「冷風機能」です。
この3種類は、安価なドライヤーであっても搭載されている基本的な機能なので、わざわざ新しいドライヤーを購入する必要はなく、ご自宅に今あるドライヤーで十分賄うことができます。
それぞれの機能の使い方にはコツがありますが、ここではそれぞれの機能の目的と特徴について説明していきます。
強温風機能
実際に私たち美容師がお客様の髪の毛を乾かす際、一番使用することの多い機能です。
また、乾かしすぎによる「オーバードライ」と呼ばれる傷みの原因になりやすいのもこの機能。
既に乾いてしまっている箇所に必要以上に強温風をあててしまうことで、切れ毛などの原因となります。
私たち美容師はテクニックと経験によってこの機能だけでブローを完成することも出来ますが、慣れない方は「8割くらいまでこの機能で乾かす」ことを意識した方が、上手に乾かすことができるでしょう。
弱温風機能
ヘアスタイルの形を作る段階で使うべき機能。
なかなか使ったことが無いという方も多い機能かもしれません。
使うタイミングとしては強温風で8割くらいまで乾かした後、残りの2割をこの弱温風で完全に乾かすようにし、ヘアスタイルを完成させるイメージです。
髪の毛にはこの最後の2割のタイミングが一番クセをつけやすいという性質があります。
毛先を内巻きにしたり、流れるクセをつけたりしたい時にこの時に弱温風機能を使うことで、上手にヘアスタイルを作ることができます。
冷風(クール)機能
ほぼ全てのドライヤーに搭載されているものの、なかなか使う機会のない冷風(クール)機能。
この機能は実は、温風機能によって高温になった髪の毛の「余熱」をとるためのものです。
余熱をとることによって髪の毛自体が引き締まり、その効果としてツヤを出すことができます。
また、髪の毛には「温めた後に冷ますことでクセがつく」性質があり、その性質を利用して前髪に立ち上がるクセをつけたり、トップにボリュームを持たしたりすることも。
上手に使うことができれば、意外と楽にキレイな仕上がりにすることのできる機能です。
正しい使い方の手順
ここからは、実際に私たち美容師が行っているドライヤーの使い方と、その手順を説明していきます。
タオルドライ
髪の毛を洗った直後のビチャビチャに濡れている状態のままドライヤーをかけるのはNGです。
できる限りタオルで水気をふき取ってから乾かしていくことで、乾かす部位のムラが出づらくなります。
その際、まず頭皮自体の水気をタオルで拭きとります。
その後、髪の毛の中間から毛先にいくに従って優しくタオルで包み込むように水気をとってあげると、タオルとの摩擦による傷みが起きづらくなります。
まず襟足から乾かす
タオルドライでしっかりと水気を拭き取ったら、強温風にドライヤーを設定して襟足から乾かしていきます。
ポイントは『襟足から顔に向かって乾かす』こと。
髪の毛の根元のクセをとる目的があり、そうすることでブローをした時に襟足や側頭部などにいらない膨らみが出辛くなります。
その後、
- 襟足
- 後頭部
- 両耳上
- 両側頭部
- トップ
の順に乾かし、「根元は乾いているが毛先が湿っている」状態まで強温風をあてていきます。
クセ付けは弱温風で
強温風の目的は「全体的に根元を乾かす」こと。
流れやクセ付けなどのヘアスタイルを作っていくことは弱温風機能の仕事となります。
「毛先に1カールが欲しい」や「前髪を立ち上げたい」などがあれば、この時にブラシを入れながら弱温風をあててあげることで、形が作りやすくなります。
タオルドライが不十分であったり、強温風で根本が乾かしきれてなかったりした場合は、なかなか上手に乾かすことができずに時間がかかってしまうかもしれません。
毛先が乾かしすぎてさえなければ熱量の低い弱温風を使用することで、多少時間をかけても髪の毛が傷んでしまう危険は少なくなります。
丁寧に中間から毛先に風をあて、しっかりと形を作ってあげるようにしましょう。
最後の仕上げは冷風(クール)機能で
髪の毛全体を弱温風で乾かし、形を作ることが出来たら、最後の仕上げとして冷風機能を使って髪の毛の余熱を取ってクールダウンさせてあげましょう。
高温をあてた後に冷風をあてることでキューティクルが引き締まり、ツヤのあるサラサラな仕上がりにすることができます。
ドライヤーをあてる時は「振る」
特に強温風で全体的に根元を乾かす際は、「ドライヤーを振る」ことを意識しましょう。
ドライヤーの熱は実はかなりの高温であり、振らないと一部分だけが乾きすぎてしまう恐れも。
また、頭皮自体や手を高温によって痛めさせない目的もあるため、意識的にドライヤーを振って熱を分散させるようにすることが重要です。
アウトバスを使用することで仕上がりアップ
タオルドライをした直後、ドライヤーをあてる前に髪の毛につける「アウトバス」。
「トリートメントミルク」や「トリートメントオイル」「トリートメントミスト」などがあり、髪質によって使い分ける必要がありますが、「髪の毛を保護する」という目的はどれも同じです。

ドライヤーの熱から守ってくれる為、乾かす時に時間がかかりすぎてしまっても「オーバードライ」になりづらく、サラサラな仕上がりに。
特に過度なカラーやパーマなどで髪の毛がもともと傷みすぎてしまっている方にはおススメです。
まとめ
せっかくトリートメントなどで髪の毛のケアをしていても、普段のドライヤーの使い方が間違ってしまっていてはなかなか「美髪」にはなりづらいものです。
是非、正しいドライヤーの使い方を覚えていただければと思います。



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