薄毛や細毛などの髪の毛の変化を感じてきた際、「育毛アイテム」を使用して育毛ケアをしていくことはとても大切な事。
インターネットやドラッグストアでは多くの育毛アイテムを見つけることが出来、配合されている育毛成分にも様々なものがあります。
「ミノキシジル」という育毛成分をご存知ですか?
各種メディアでもよく見かけるこの育毛成分の効果はどんなものなのか?また、その副作用は?
この記事では、元育毛カツラメーカー勤務&現役美容師の私が、「育毛成分ミノキシジル」について、解説していきます。
美容師・daiogo(美容師歴16年)
資格:美容師免許、管理美容師、色彩検定、ヘアケアソムリエ、剣道二段
過去に大手育毛カツラメーカーにて五年間職務歴あり。
男性、女性問わずサロンに来店されるお客様に向け、頭皮や髪の毛の悩みを解消できるよう日々アドバイスさせていただいております。
普段何気なく思っているような疑問、手が届きそうで届かない髪の毛あるあるをスッキリさせてもらえれば幸いです!
目次
ミノキシジルとは
ミノキシジルは本来、「高血圧に悩む方に向けた血圧を下げる目的で使用する薬」として開発されました。
血管を拡張させることにより血圧を下げる治療を行ったところ、ミノキシジルを使用した患者のなかから発毛効果が認められたため、発毛成分としての研究が進められた経緯があります。
血行不良の解消や血行促進効果には、薄毛や細毛の原因のひとつとなる「毛周期(ヘアサイクル)」の乱れを改善させることが期待できます。
「育毛成分ミノキシジル」は、この効果を狙って毛周期(ヘアサイクル)を整え、本来の健やかな頭皮環境に戻していくことを目的とした成分です。
薄毛、細毛の主な原因は毛周期(ヘアサイクル)の乱れ
上記したようにミノキシジルには毛周期(ヘアサイクル)を整える作用がありますが、そもそも毛周期(ヘアサイクル)とは何なのかを簡単に説明していきます。

髪の毛には新しく生えてきてから脱毛するまでの間、
- 前期成長期毛
- 中期成長期毛
- 後期成長期毛
- 移行期毛
- 休止期毛
- 脱毛
という段階があります。
髪の毛の1本1本はすべてこのサイクルによって成り立ちます。
いわゆる「髪の毛の寿命」と言えるものであり、このサイクルを女性では約4~6年、男性では約3~5年の周期で繰り返していきます。
加齢やストレス、生活環境の変化などによって毛周期(ヘアサイクル)が乱れてくると、本来の寿命を全うすることができなくなり、まだ生まれたばかりの細く、弱い髪の毛の状態で脱毛してしまうことも。
育毛ケアを行う上では、このサイクルを正常な状態に戻すことがとても重要です。
ミノキシジルの具体的な効果
「ミノキシジルは毛周期(ヘアサイクル)を整える作用がある」と上記しましたが、より具体的な効果としては、
- 成長期毛の期間をより長く伸ばすこと
- 脱毛した後の髪の毛を素早く成長期毛に誘導すること
が挙げられます。
成長期毛である期間は本来、毛周期(ヘアサイクル)のなかでも8~9割を占める長い期間です。
加齢やストレスなどにより頭皮環境が乱れてくると、一番長い期間であるはずの成長期毛の期間が非常に短くなってしまい、せっかく生えた新しい髪の毛がすぐに脱毛してしまうことも。
この期間(毛周期)を長くすることがミノキシジルの効果です。
また、寿命によって脱毛したあとの毛穴からは、正常な頭皮環境であればまた新たな髪の毛が約2~3か月後に生えてきます。
ですが、すでに毛周期(ヘアサイクル)が乱れている頭皮では、もっと長い期間をかけないと新しい髪の毛が生えてこない可能性も。
この期間を出来るだけ狭めることにより、より早く新しい髪の毛を毛穴から生やす効果が期待できます。
ミノキシジルは男女問わず使える
ミノキシジル配合の製品が出たばかりのころは男性向けの育毛アイテムがメインとなっていました。
しかし、最近では女性向けの育毛アイテムも販売されています。
加齢によって頭皮環境が乱れ、薄毛になってしまう症状を「壮年性脱毛症」と呼びます。
これが男性であれば「AGA」、女性であれば「FAGA」となり名称が変わりますが、加齢による頭皮環境の変化によって薄毛になる、ということ自体は変わりません。
ただし、女性の場合は「加齢」だけが原因とは限らず、妊娠や出産などのホルモンバランスによる身体の変化も考えられます。
この場合は「加齢による頭皮環境の乱れ」には当てはまらないため、ミノキシジルでは効果が薄い可能性も。
育毛ケアをしていく上では、髪の毛の変化の原因が何か?によって使用する育毛成分を選ぶことも重要です。
内服薬か?外用薬か?
実際にミノキシジルを使用していく際、配合されている製品を選んでいくと、「内服薬」と「外用薬」のどちらを選ぶかで迷うかもしれません。
簡単に言うと、
- 内服薬=飲むタイプ(タブレットなど)
- 外用薬=塗るタイプ
です。
これらは効果や副作用に違いがあり、また、ご自分の生活スタイルによっても使いやすいかどうかで選ぶ必要があります。
外用薬(塗るタイプ)の正しい使用方法
外用薬には主に、頭皮に直接塗る「スティックタイプ」と、頭皮に噴射させてつける「スプレータイプ」があります。
どちらも使用する回数は朝と夜の一日2回。
頭部の正中線上、生え際からつむじにかけて4か所塗布し、その両サイドにも3か所ずつ塗布します。
また、つむじや生え際などの気になる箇所には追加で数か所塗布し、その後、全体的にマッサージしていきます。
これを毎日欠かさず行います。
効果が出るまでには個人差があり、その期間は約3か月から半年ほど。
根気よく継続していく事が重要です。
内服薬(飲むタイプ)の注意点
内服薬を使用する場合一番注意しなければいけないことは、「用法、用量を守る」ということ。
ミノキシジル配合の内服薬は海外製のものも多く、インターネットなどで購入することが可能です。
その際、日本語での表記がされていないことがあり、「1回〇錠」のような用法、用量が読めないことも。
風邪薬などと同じように、経口摂取するタイプの製品は販売メーカーによって飲み方が違います。
誤った摂取方法をしてしまうと、思わぬアクシデントが起こってしまうかもしれませんので、必ず用法、用量は守るようにしましょう。
ミノキシジルの副作用は?
育毛成分として非常に優秀なミノキシジル。
実はいくつかの副作用が出てしまう可能性もある成分です。
基本的には安全が認められている成分ではありますが、誤った使い方をしてしまった場合や、敏感肌の方、アレルギーを持っている方などは注意が必要です。
代表的な副作用の例を挙げていきます。
初期脱毛
初期脱毛とは、育毛成分の効果によって新しく生えてきた髪の毛に古い髪の毛が毛穴のなかで押し出され、抜けていく現象です。
成長期毛の期間を長期化させ、休止期毛の期間を狭める効果を期待できるミノキシジルには、起こりやすいことだと言えます。
せっかく使用しているのに急に脱毛が多くなってしまうことになるため、自分に合っていないのでは?と思ってしまうかもしれません。
個人差はありますが、これは約1~2か月ほどで治まります。
必ずしも起こる副作用ではありませんが、初期脱毛は「育毛効果が出ている」と言える現象でもあるため、経過観察が必要です。
めまい、立ち眩み
内服薬を使用する場合に起きる可能性がある副作用です。
ミノキシジルはもともと高血圧の薬として開発された経緯がありますので、健康な方が服用することによって低血圧に似た症状が出ることも。
用法、用量を守って使用するようにすれば深刻な事態になることはないはずですが、使用後に異常を感じ、不安なようであれば専門医に相談したほうがいいでしょう。
かぶれ、痒み
かぶれ、痒みはミノキシジルに限らず、塗るタイプの育毛剤を使用することで起こりやすい代表的な副作用のひとつです。
この副作用には個人差が強く出るため、どれほどの使用量によって起こるのかは様々です。
また、『ミノキシジル配合』を謳っている育毛剤であっても、ミノキシジル以外にも多くの各種成分が入っており、原因が本当にミノキシジルなのかも分かりづらいもの。
めまいや立ち眩みの症状が出た場合と同じく、こういった異常を感じた時も心配な場合は専門医に相談するようにしましょう。
体毛が濃くなる
内服薬を使用した場合に起こる可能性のある副作用です。
頭部だけに発毛効果が表れるわけではなく、身体全体に出てしまうことで体毛が濃くなります。
主に濃くなりやすい部位では、
- すね
- 背中
- うなじ
- 腕
など。
これも必ずしも起こる副作用ではありませんが、肌の露出の多い時期などにはケアが必要になるでしょう。
まとめ
CMや各種メディアによって多くの方に認知されてきたミノキシジル。
非常に優秀な成分ではありますが、「正しく使用して継続」していかないと、なかなか効果は現れないもの。
また、育毛ケアはすぐに効果が出るものでもなく、長期的にケアしていく必要があります。
根気よく、しっかりとケアしていくことを心掛けて頂ければと思います。
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