育毛ケアにしっかり取り組んではいるものの、あまり効果が出なかったり、既に毛母細胞が死滅してしまったりしている場合には、「ウィッグ」という選択肢があります。
ウィッグには「既製品ウィッグ」と「オーダーメイドウィッグ」の2種類があり、それぞれに特徴があります。
この記事では、そろそろウィッグの使用を検討している方に向けて、元育毛カツラメーカー勤務&現役美容師の私が、「既製品ウィッグとオーダーメイドウィッグにはどんなところに違いがあるのか?」について解説していきます。
美容師・daiogo(美容師歴16年)
資格:美容師免許、管理美容師、色彩検定、ヘアケアソムリエ、剣道二段
過去に大手育毛カツラメーカーにて五年間職務歴あり。
男性、女性問わずサロンに来店されるお客様に向け、頭皮や髪の毛の悩みを解消できるよう日々アドバイスさせていただいております。
普段何気なく思っているような疑問、手が届きそうで届かない髪の毛あるあるをスッキリさせてもらえれば幸いです!
目次
ウィッグを選ぶポイント
まず初めにウィッグ自体を選ぶポイントを説明します。
実際に専門サロンに訪問してウィッグを選んでいると、地毛の長さや髪の毛の色味などで選んでしまいがちです。
実はそれよりも重視するべきポイントがあります。
それは「ベース自体の大きさ」。
初めてウィッグを見た時にはどうしてもウィッグ自体の毛材に目を奪われがちですが、ウィッグはサイズが適正ではないと、なかなか上手につけられなくなってしまうアイテムです。
頭の大きさというものは意外と千差万別であり、隠したい部分も人それぞれに違いがある為、しっかりと隠したい部分をカバーできるだけの適正なサイズを選ぶことが重要なポイントとなります。
それぞれのウィッグの特性を知る
既製品、オーダーメイドのどちらを選ぶべきかは、それぞれの特性を理解する必要があります。
ここでは、それぞれのウィッグを選ぶ上での「プラス面」と「マイナス面」を説明していきます。
オーダーメイドウィッグのプラス面
価格帯が高価になりやすいオーダーメイドウィッグには、購入時に相応の特典がついてくる場合が多くあります。
- ご自分の頭のサイズを測定した後に作成していくので、必ず適正サイズになる
- 好みの髪の毛の長さや髪色を選ぶことができる
- 製品に保証期間がついていることが多い
- 購入後1年間は地毛のカットが無料などの特典も
オーダーメイドウィッグを購入する際の最大のプラス面は、「ご自分の頭のサイズに合わせることが出来る」ということ。
プロがしっかりと適正なサイズを測った後に作製工程に入るようになるため、使いやすいサイズを購入することが可能です。
また、高価な買い物になるため万が一合わなかった場合に無料保証がついている場合も多く、安心感があります。
「地毛カット1年間無料」などの特典があることも多く、専門サロンでご自分の髪の毛を切りながらウィッグの着け方などのアドバイスをしてもらうことも出来ます。
オーダーメイドウィッグのマイナス面
オーダーメイドウィッグはご自分だけに合うものになる為、特別感の高いものですが、マイナス面もあります。
例としては、
- 価格帯が高価
- 実物ではないため、サンプルウィッグでイメージする必要がある
- 完成するまでに日数が必要
一番のマイナス面はやはり「価格が高価」なこと。
既製品ウィッグと比べると10倍以上の金額になることも多いため、金銭面で余裕がある方や特に美意識の高い方でないと購入自体が難しいかもしれません。
また、帽子や靴、スーツなどの「オーダーメイド商品」と同じように、購入するべき実物が契約時にはまだ存在していません。
そのため、サンプルウィッグを使用しての「似合わせ作業」をすることしか出来ず、既製品とは違って契約時に実物を見ることはできません。
作製期間もおよそ40~50日が必要となるため、今すぐにウィッグが欲しい緊急性の高い方には向かない製品と言えます。
既製品ウィッグのプラス面
オーダーメイドウィッグと比べると各種特典は少ないものの、既製品ウィッグにも購入する際にプラスとなる面はあります。
- 安価に購入することができる
- 既に実物があるため、装着時のイメージがつきやすい
- その場ですぐに購入することができる
価格帯が安価なことが最大のプラス要素となりますが、それ以外にも実際に実物を装着することが出来るのは安心感があります。
また、オーダーメイドウィッグと同じく購入時に地毛との長さの微調整などはしてもらえることが多く、その日のうちから使用できるのは嬉しいもの。
すぐにでも気になる部分のカバーをしたいという方にはおススメです。
既製品ウィッグのマイナス面
既に実物が完成されている「出来合い」のものとなる既製品ウィッグには、その為のマイナス面もあります。
- ご自分の頭の適性サイズではない
- 地毛の長さや髪色で選ぶ必要がある
- 髪質やベース自体の品質が悪いことがある
既にベースのサイズが決まってしまっている為、ご自分に合った「頭の適性サイズで購入することができない」というのが最大のマイナス要素です。
頭のサイズや隠したい箇所は人それぞれ違うため、装着自体がしづらく、上手につけられるようになるまでには練習と慣れが必要となってきます。
地毛の長さや髪色にも合うものを選ぶ必要もあるため種類が限られ、安価なこともあることから製品によっては毛材やベースの品質が悪いものも。
毛材は品質が悪いものになると熱によって歪みの出るものもあるため、洗うときは冷水を使用する必要があるなどの手間もかかります。
ドライヤーやアイロンなどでセットすることも難しいため、ヘアアレンジなどをしたい方には向かない製品と言えます。
シーンによっての使い分けがおススメ
それぞれのウィッグの特徴を説明していきましたが、実際にどちらのウィッグをどういったシーンで使い分けるべきか?は少し分かりづらいもの。
ここからは、具体的にどんなシーンの時にどちらのウィッグが合うのかを説明していきます。
オーダーメイドウィッグの使用がオススメなシーン
日常的に使用していきたい
帽子をかぶるように普段から日常的にウィッグを楽しみたいという方。
ご自分の髪色や長さに合わせて作製することのできるオーダーメイドウィッグであれば、違和感なく常時使用することが可能です。
装着自体に大きな不安がある
正しく装着することができず、周囲の人たちにウィッグを使用していることを気づかれてしまうのではと不安な方。
特にもともとが不器用な方であればあるほど、その不安は大きいものです。
購入後のアフターフォローがしっかりしているウィッグメーカーを選ぶことで、装着方法なども時間をかけて丁寧に教えてくれます。
既製品ウィッグがオススメなシーン
イベント、コスプレ、趣味で使用したい
忘年会や新年会などの各イベントや、コスプレ、趣味などに使用したい場合。
金額的にも安価になりますし、なかには奇抜なウィッグも多くあります。
ウィッグが似合うかが不安
「そもそもウィッグが似合うのか分からない」という方。
ウィッグ自体を初めて購入する際には様々な不安がありますが、やはり一度実際に使用してみないとその不安を取り除くことは難しいもの。
実践し、不安を解消するためにも一度既製品ウィッグで慣れてみる必要があります。
医療用ウィッグの場合は特殊
抗ガン剤治療などで髪の毛が抜けてしまったり、もともと持っている先天的な病気などで髪の毛が生えてこなかったりといった場合には、「医療用ウィッグ」という選択肢も。
これは、「セミオーダー」とも言えるウィッグで、オーダーメイドよりもしっかりと採寸などはしないものの、ご自分の頭のサイズにある程度合わせたウィッグを作製することができます。
医療用の為メーカーによっては割引サービスがある場合も。
提携している病院などで詳しく話を聞くこともできるので、気になる方は担当医に相談してみると良いでしょう。
ウィッグの注意点
ウィッグには既製品、オーダーメイド問わず、共通して注意しなければならないポイントがあります。
実際に購入した後にはとても重要なことなのですが、挙げていくと沢山出てきてしまう為、ここでは特に重要な2点に絞って説明していきます。
毛材の色は変えられない
購入した後にウィッグ自体の毛材の色を変えることは出来ません。
「人毛ウィッグ」であれば多少の調整はできますが、それでも通常のカラーリングのように綺麗に染め上げることは不可能です。
カラー剤が反応するべき「メラニン色素」がウィッグの毛材には入っていないことが理由となりますが、それ以外にも傷み度合いが多く出てしまうなどのスタイル上の理由もあります。
修理にはとてもお金がかかる
「ベースが壊れた」「ウィッグの毛材が抜けた」などの不具合は、長年使っていくと必ず起こるもの。
ウィッグも長く使用していくと、必ず「経年劣化」が起きます。
その際に必要な料金としては、おおよそ「製品を購入した金額の50~100%」となります。
製品の劣化具合や製品自体の種類にもよって差がありますが、「約購入した時の半額以上はかかる」と思っておいた方が良いでしょう。
連続装着はオーダーメイドのみ
いわゆる「着けっ放し商品」のことを「連続装着」と呼びます。
取り外しをしない(出来ない)タイプのウィッグのことで、これはオーダーメイドウィッグだけの特性になります。
約2週間に一度、専門サロンで取り外してクリーニングを行う必要があり、その間ご自分で頭皮を洗うことはできません。
もともとは男性向けの製品でしたが、近年では女性向けの製品も販売されています。
まとめ
それぞれに特徴のあるオーダーメイドウィッグと既製品ウィッグ。
気になる箇所をカバーしつつ、オシャレを楽しみたい方には最適な増毛アイテムです。
薄毛に悩む方は一度、試してみてはいかがでしょうか。
※記載内容は現在のサービスと異なる場合があります。最新の情報は公式サイトをご確認ください。